【筋トレ】POF法を取り入れたトレーニングメニュー

トレーニング種目

今回は、トレーニング種目を負荷のかかる筋肉の収縮位置により分類、言い換えると負荷のかかる関節の屈曲位置により分類し、それに基づきトレーニングメニューを組み立てるPOF法について解説していきます。

POF法の肝は負荷をかけるポイントを三つの筋収縮の位置で種目を分類すること

POFは、「Positions Of Flexion」の頭文字をとったもので、直訳すると「屈曲の位置」という意味になります。

アメリカ最古参のトレーニングマガジン、アイアンマン(1936~)の編集者であるスティーブ・ホルマン氏が提案したトレーニングプログラムで、トレーニング種目を、筋肉にかかる負荷の位置を関節の角度、つまり筋肉の収縮の度合いに関連付けて3つに分類し、一つの筋肉に対しその2~3つを組み合わせたルーティーンにするようなもののことを言います。

※関節には動作を表す言葉としてそもそも「屈曲」という単語がありますが、ここでの屈曲は単純に関節の角度という意味です

負荷のかかるポイントを三つに分ける

言葉で説明するとなんのこっちゃという感じですが、具体的に以下に説明した3つの屈曲位置を読んでいただけるとイメージしやすいと思います。

ミッドレンジ・ポジション:メインのコンパウンド種目。筋肉の中間収縮域において最大負荷がかかる種目

ストレッチ・ポジション:筋肉をストレッチさせることができる種目、もしくはストレッチ位置付近で最大負荷がかかる種目。

コントラクト・ポジション:筋肉が最大収縮する位置付近で最大負荷がかかる種目。

筋肉の起始・停止の距離で収縮量を判断する

筋肉は骨と健(筋)で繋がっており、この繋がっている2か所を「起始」「停止」と言います。

関節の角度により筋肉が収縮し、起始・停止の距離が変わるのですが、

・起始・停止が最も近づき筋肉が最も収縮している状態をコントラクトポジション

・起始・停止が最も離れて筋肉がストレッチされている状態をストレッチポジション

・そしてそれらの中間のレンジをミッドレンジポジション

という具合に3つにわけます。

バーベルやダンベルは重力方向に力が働くので位置によって負荷が抜ける

バーベルやダンベルは重力方向(つまり地面下方向)の力が働くので、種目によっては関節の角度によって負荷が抜けるポイントが出てきます

例えば、ダンベルベンチプレスでは、腕を開いたポイントではしっかりと負荷がかかっていますが、腕を真っ直ぐ天井に突き上げ、腕が閉じた状態では負荷は抜けています。

同様に、アームカールでは、腕を下したスタートポジションと肘関節を曲げきったフィニッシュポジションではほとんど負荷は入っておらず、肘が直角になるポイント(前腕が床に対して平行になる位置)で負荷が最大となります。

コントラクトポジションに分類される種目では、このようにミッドレンジ系の種目では負荷が抜けるポイント、特に筋肉が収縮するポイントでも負荷が抜けないような種目になります。

例えばケーブルクロスオーバーでは、横方向に引っ張られるので、腕を閉じ切った大胸筋が最大収縮するポイントでもしっかり負荷がかかっています。サイドレイズなども、三角筋中部が収縮しきったポイントで負荷が入っていることになります。

一方ストレッチ系の種目では、筋肉をそもそもストレッチすることができる、もしくは筋肉が弛緩しているスタートポジションから負荷が入っているような種目になります。

コントラクト系種目では、フィニッシュポジションで負荷が抜けていないこと、ストレッチ系種目では、スタートポジションの直後から負荷がかかっているものという違いがあります。

この三つを2~3組み合わせるのがPOF法

この三つの分類にわけた種目から2~3を選択し、一つの筋肉に対して行うようなトレーニングメソッドをPOF法と言います。

筋肉は同じ刺激をずっと繰り返していると、刺激に対して慣れてしまうため、それを防ぐためにもこのように刺激が入る収縮位置の違う種目を取り入れることは効果的です。

それぞれのポジションで筋肉入る刺激も違う

また、それぞれのポジションで筋肉に入る刺激が異なるという点もポイントになります。

例えばミッドレンジポジションでは、筋肉が最もパワーを発揮することができる範囲であるため、高重量を扱うことができるといったメリットがあります。

ストレッチポジションでは筋繊維・筋膜が引き伸ばされるために、筋肉に与えることができる損傷の度合いを強くできます(その分怪我のリスクも高いのですが)。

コントラクトポジションでは筋肉を最も収縮させるポジションで負荷が入るため、筋肉の圧が高まった状態を作られ筋肉に流入する血液力が減り局所性貧血が起き、弛緩させると通常より多い血液量になるという加圧トレーニングに近い状態を作ることができます

POF法の各筋肉での種目例

POF法で組み合わせるトレーニング種目を以下に列挙しておきます。

大胸筋

ダンベルフライ 15kg x 9レップ

大胸筋のトレーニングで三つの分類は以下のようになります。

ミッドレンジ:ベンチプレス
ストレッチ:ダンベルフライ
コントラクト:ケーブルクロスオーバー

ベンチプレスやダンベルフライでは、バーベル・ダンベルの負荷が重力方向である地面方向下向きであることから、腕を天井に突き上げた腕を閉じたポジションでは負荷が抜けていることになります。

ケーブルクロスオーバーは横方向に負荷をかけることができるため、腕を閉じ切ったポイントで負荷をかけることができます。

広背筋

ベントアームプルオーバー 30kg

広背筋のトレーニングで三つの分類は以下のようになります。

ミッドレンジ:ベントオーバーロー、チンニング
ストレッチ:ベントアームプルオーバー
コントラクト:ワンハンドロー

広背筋の場合、ストレッチ種目がイメージしづらいと思います。広背筋は、上腕骨に停止部を持っているので、バンザイをした姿勢から更に肘を後ろに持っていくような状態になると広背筋はストレッチされることになります。

コントラクト種目のワンハンドローは、上半身を床に対してほぼ平行にすることができるので、収縮付近で負荷を入れることができます。

三角筋

ミリタリープレス 50kg x 10レップ

三角筋のトレーニングで三つの分類は以下のようになります。

ミッドレンジ:ミリタリープレス、ダンベルショルダープレス
ストレッチ:インクラインダンベルフロントレイズ(三角筋前部)、ケーブルサイドレイズ(三角筋中部)
コントラクト:ベントオーバーフロントレイズ、サイドレイズ、リアレイズ

三角筋のストレッチ、コントラクトは部位によってはどの種目が当てはまるのか難しいと思います。

まず三角筋前部ですが、腕を後ろに引いた状態が最もストレッチされるので、インクライン状態で行うフロントレイズがストレッチ種目にあたります。

一方三角筋中部については、腕を真っ直ぐ下した状態でほぼほぼ筋肉は弛緩しているので、この位置で負荷がかかる種目、ケーブルサイドレイズ(ケーブルサイドラテラルレイズ)がストレッチ種目に当たります。

普通のサイドレイズとの違いとしては、ダンベルは重力方向、つまり下向きに引っ張る力が働きますが、ケーブルでは横向きに引っ張る力が働きます。

よって、サイドレイズではスタートポジションではほぼ負荷が入っていないのに対し、ケーブルサイドレイズではスタートポジションから負荷が入ることになります。

同様の理由で、三角筋中部のコントラクト種目はサイドレイズになります。

一方、三角筋前部は肩関節の屈曲動作(腕を前方上にあげる動作)に貢献されますが、通常のフロントレイズですと腕が体に対して垂直になった時点で最大負荷になります。

最大収縮位置は腕をバンザイするように上にあげた状態になるので、この位置に最大負荷がかかるようにすると、上半身を前傾させたベントオーバー状態でフロントレイズを行う必要があります。

上腕二頭筋

スタンディングコンセントレーションカール 10kg x 10レップ

上腕二頭筋のトレーニングで三つの分類は以下のようになります。

ミッドレンジ:アームカール
ストレッチ:インクラインダンベルカール
コントラクト:コンセントレーションカール

上腕二頭筋の起始部は肩甲骨にあるため、インクラインダンベルカールのようにスタートポジションで腕が後ろに引いた状態となるポジションではストレッチされ、コンセントレーションカールのように、上半身を前傾させて行う種目では、より収縮させることができます。

上腕三頭筋

ライイングトライセプスエクステンション 20kg

上腕三頭筋のトレーニングで三つの分類は以下のようになります。

ミッドレンジ:ライイングトライセプスエクステンション
ストレッチ:フレンチプレス(スタンディングトライセプスエクステンション)
コントラクト:トライセプスキックバック

上腕三頭筋の起始は、長頭・外側頭・内側頭の三つがありますが、このうち長頭については肩甲骨に起始部を持ちます(外側・内側は上腕骨)。

これを踏まえて、上腕二頭筋と同じように考えた場合、バンザイをした姿勢では長頭がストレッチされ、肘を後ろに引くような姿勢ではより収縮することになります。

尚、上腕骨に起始を持つ外側頭・内側頭についても、フレンチプレスではスタートポジションで負荷がかかっており、キックバックでは収縮位置で負荷がかかっていますので、上の三つの分類で問題ありません。

大腿四頭筋

シシースクワット 10kg

大腿四頭筋のトレーニングで三つの分類は以下のようになります。

ミッドレンジ:スクワット(特にハイバースクワット、もしくはフロントスクワット)
ストレッチ:シシースクワット
コントラクト:レッグエクステンション

ミッドレンジで大腿四頭筋の動員を高めたいときは、ハイバースクワット、もしくはフロントスクワットが有効になります。

この二つは上半身をローバースクワットに比べて真っ直ぐ保つことができるので、股関節の伸展の度合いを抑えることができます。

結果大殿筋・ハムストリングスの関与を抑えることができるので、大腿四頭筋メインの種目とすることができます。

また、大腿四頭筋は、中間広筋、内側広筋、外側広筋、大腿直筋の4つから構成されていますが、このうち大腿直筋については腸骨(腰の骨)に起始停止を持ちます。その他は大腿骨。

よって、大腿直筋をストレッチさせることを考えたとき、股関節を曲げずまっすぐに保つ必要が出てきます。このため、シシースクワットがストレッチ種目にあたります。

ただし、スタートポジションで負荷が入っていることには変わりないので、中間広筋、内側広筋、外側広筋についてもストレッチ種目であることは変わりません。

ハムストリングス

ルーマニアンデッドリフト 50kg x 10

ハムストリングスのトレーニングで三つの分類は以下のようになります。

ミッドレンジ:スクワット(特にローバースクワット)、デッドリフト
ストレッチ:ルーマニアンデッドリフト
コントラクト:レッグカール

ミッドレンジでハムストリングスの動員を大きくしたい場合、股関節の伸展動作を含むローバースクワットが適しています。また、デッドリフトについては股関節の伸展動作が主となるので、ハムストリングスにも大きな刺激を入れることができます。

ストレッチでは、前屈動作であるルーマニアンデッドリフトがハムストリングスにストレッチ刺激を大きく与えることができます。

大殿筋

ヒップスラスト 60kg

大殿筋のトレーニングで三つの分類は以下のようになります。

ミッドレンジ:スクワット(特にローバースクワット)、デッドリフト
ストレッチ:ブルガリアンスクワット
コントラクト:ヒップスラスト

股関節の伸展動作に貢献する大殿筋は、ミッドレンジについてはハムストリングスと同じ考えで問題ありません。

大殿筋は腸骨(腰の骨)と大腿骨に起始停止を持ちます。よって膝を体に寄せた動作でストレッチされることになります。よって、このような動作を含むブルガリアンスクワットがストレッチ種目にあたります。

まとめ

このPOF法というのは、トレーニング種目選びにおいて非常に効果的です。

私はユーチューブなどでトップレベルのボディビルダーなどのトレーニング動画を見ることがしばしばありますが、彼らの種目構成も、だいたいこのPOFに基づいて種目選択がされているなあという印象です。

だいたい初心者から中級レベルのトレーニーであれば、各部位それぞれ2種目選択してトレーニングを行えば、一般人からすればある程度マッチョには十分なれると思います。

参考になれば幸いです。

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